猛暑での筋トレについて

暑いですね、というより暑すぎますね!

これだけ暑いと、頑張って筋トレしている人と休んでいる人に分かれると思います。廣田ボディビルセンターでは、1年通して同じ頻度で通う人と、暑いときや寒いときには休みがちな人に分かれます。さてあなたはどちらでしょう?

猛暑日には熱中症の危険度が高まるので運動は控えましょうと言われますが、判断するのは自分自身です。体力も環境もその日の体調も個人差が大きいですから、他人のアドバイスに素直に従う必要はありません。猛暑日では無くても体調が悪ければ休むべきですし、暑い理由だけで休んでいると、逆に体力の衰え、夏バテにつながります。自分の体は自分で守りましょう。

ということで、今回は猛暑の中での筋トレについて書いてみたいと思います。

<暑い季節に筋トレを行う際の注意点>

•水分補給を徹底する

•涼しい時間帯を選ぶ

•体調のチェック

•トレーニング強度の調整

•トレーニング時間の短縮

 

水分補給を徹底する

1.事前の水分補給

筋トレを始める前に十分な水分を摂取しておくことが重要です。2~3時間前に500~600mlの水を飲んでおくようにしましょう。一気にゴクゴクと飲んでしまうと、尿として排出される割合が増えてしまいます。水分だけを補給する場合は、喉を潤す程度に少しずつ時間をかけて飲みましょう。水分補給は飲み物だけではありません。食事のご飯やおかずからも500ml~1000ml補給できます。例えばカレーライスだけで約800mlの水分が摂れるそうです。ですから、トレーニング前にしっかり食事を摂っていれば、よほど汗をかいていない限り、事前の水分摂取は十分といえるでしょう。個人的にはトレーニング前にスイカに塩を振って食べるのがお勧めです。季節の野菜や果物は暑さ対策の味方です。

2.運動中の水分補給

運動中は発汗による脱水症状を防ぐために15~20分ごとに水を飲むことを目指しましょう。前述のように、体内に水分を送り込むためには一気飲みは避け、セット間の休憩時に少しずつ喉を潤しましょう。大量の汗をかくときには、水だけで無く電解質(ナトリウム、カリウム、マグネシウムなど)も失われます。スポーツドリンクや電解質タブレット等を利用して電解質の補給をすると良いでしょう。

3.運動後の水分補給

運動後も十分な水分補給が必要です。運動後の体重を測り、減少した体重1kgにつき1.5リットルを目安に水分を補給しましょう。

4.水分補給の注意点

冷たすぎる飲み物は避け、常温や少し冷たい飲み物を選ぶようにしましょう。冷えた飲み物は、一時的な爽快感を提供しますが、消化機能の低下、血管収縮、代謝の低下、熱中症リスクの増加などの影響を及ぼす可能性があります。胃腸に優しい温度が最適です。また、アルコールやカフェインを含む飲み物は利尿作用があり、脱水を助長するため避けるべきです。

 

涼しい時間帯を選ぶ

暑いときは出来るだけ涼しい時間帯にトレーニングを行いましょう。日中の暑い時間帯は避けることが望ましいです。どうしても暑い時間帯しかトレーニングできない時は、短時間で集中的に行い、その後涼しい場所で体を休めることが大切です。また、服装は通気性が良く、汗を吸収しやすい素材のものを選びましょう。そして汗が大量に出るときは、途中で着替えましょう。自然の風が入る通気性の良い場所でのトレーニングが理想的です。

エアコンの効いた場所でのトレーニングは、涼しくて良いと思われがちですが、身体の表面が冷えて汗が出にくい状態になります。皮膚表面を冷やしすぎて風邪や感染症にかかりやすくなることがあります。暑いときに水分を摂りながらしっかり汗をかくことは、体温調節機能を高め、熱中症になりにくい身体を作ります。また通気性の良い場所では感染症の予防効果も高くなり、安心してトレーニングできます。

 

体調のチェック

トレーニング前に体調を確認し、すこしでも具合が悪いと感じたら無理をしないことが大切です。熱中症の初期症状(めまい、頭痛、吐き気、筋肉のけいれんなど)に注意しましょう。健康管理で筋トレを行っている人は、自分の体調に合わせてトレーニングを行える人が多いですが、アスリートや目標の日にちを決めてダイエットに取り組んでいる人は、調子が悪いと感じていてもついつい無理してトレーニングしがちになります。周りの友人や指導者のアドバイスに耳を傾けて、気持ちだけで突っ走ることの無いよう気を付けましょう。

 

トレーニングの強度調整

暑い季節は、普段よりもトレーニング強度を下げることを検討してください。私の経験では、室温が30℃を超えてくると、筋肉が十分に力を発揮できなくなってきます。先日まで挙上できた重量が持てなくなると、筋力が落ちたと焦りを感じ、無理矢理挙げようとして怪我をしたり、関節に過度な負担をかけて回復が遅れたりします。

特に中高年は、筋肉の支えが弱くなると、椎間板が減少傾向にあるため間接への負担が大きくなります。暑い時は筋力が落ちるのでは無く、力が出せない状態になっているだけだと割り切って、無理のないトレーニングに努めましょう。それこそ通常の半分以下の内容でも十分です。筋肉を動かして汗を流せばOKだと考えてください。その積み重ねが結果的には体力向上につながるということを忘れないで欲しいと思います。

 

終わりに

自然の環境は毎年変化しています。これから温暖化は進む一方だと考えられます。これらのポイントに注意しながら、暑い季節でも安全に筋トレを続けてください。トレーニングは続けなければ効果は出ません。休んだら休んだだけ筋力、体力は衰えていきます。

暑い時は自分なりに続けられるメニューに切り替えて、無理をせず自分のペースでトレーニングを楽しみましょう!

とにかく「継続は力なり」です。

 

著者:廣田ゆみ(2004年女子ボディビルアジアチャンピオン)

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